12.16.2015

Samsung Gear S2

こんにちは、DKです。

今日紹介するのはサムスンのGear S2です。今年の10月に発売されたばかりです。
ちなみにサムスン初の円形タイプスマートウォッチです。

UI image

スクリーンは完全な円形で、発色もPebble Time Roundとは比べ物にならないくらい精細ですね。グラフィックデザインも円形ディスプレイに合わせ、力を入れているのが分かります。

スマートウォッチの操作というと、タッチ操作、ボタン操作ですが、このGear S2はベゼルが回転します。それにより、中のUIと連動した快適な操作性を得ていることが最大のデザイン的な特徴でしょう。

Apple Watchもリューズに見立てたダイヤル操作を搭載していますが、Gear S2の方がUIとベゼル操作の回転軸が同じなので、より優れている操作性だと思います。

Samsung Gear S2 / Samsung Gear S2 classic
製品ラインナップにはクラシックタイプも用意されており、ベゼル部分のデザインも差をつけています。中身は同じですが、全く違う製品に見えますね。
この製品展開も面白いと思います。

同じデザインの時計画面を表示させた時の比較


造形面では、ベゼルの内側に面をつけることでより円形である形状がより印象的に見えるような工夫がされています。ベゼル部分以外の造形はあえて凝らないことで、より天面のディスプレイとベゼルが引き立っています。

12.14.2015

IoTについて その14

こんにちは、DKです。

前回は既存の時計に近いスマートウォッチを紹介しました。Withngs / Withings Activeだけでなく、スマートウォッチの傾向として、腕時計への回帰と言えるような、丸型へのあこがれが強いように思います。
今日紹介するのはPebble Time Roundです。

Pebble / Pebble Time Round

Pebbleからこの秋に発売された新型で、いままでのPebble製品には無かった円形ディスプレイを搭載しています。特長はディスプレイだけでなく、より時計に近づける工夫として従来のスマートウォッチの苦手分野だった薄型化を取り入れています。

厚さ7.5mm、重さ28gの軽量設計

一見普通の時計と変わりませんが、ベゼル(液晶周りのフチ)が厚かったり、薄型にするために今までの特長でもあったバッテリー寿命の短縮や、防水仕様でもなくなっています。
このような点から、やや早すぎた市場投入であるとも思いますが、形状に関してはスマートウォッチ群の中でも一番従来の腕時計に近いと言えるのは間違いないはずです。

次回も円形ディスプレイのスマートウォッチを紹介します。


12.10.2015

Generation Next




先日の休日に丸の内仲通りを何気なく歩いていると、今年 2015 年のGood Design 受賞作品の展示があった。


ここ GOOD DESIGN Marunouchi はデザインと社会をつなぐコミュニケーションスペースとして今年 10 月末にオープンしたらしい。


受賞作品を見ようと中に入ってみて、何年か前のデザインからどんどん対象となるものが変化してきていることを感じた。


あらゆるところで取り上げられ、次の産業革命のように言われ盛り上がってきている IoT 分野のプロダクト。

特に近年立ち上がったばかりの Startup の受賞が目立っていたと思う。



何と大賞に輝いたのは 2012 年設立の WHILL でした。 知らなかった・・



WHILL  Model A



他にも、Ring を開発する 2013 年設立の Logbar の受賞や、


Ring ZERO


2004 年 設立で、もう東証一部に上場している CYBERDYNE の HAL。


HAL


注目の IoT プロダクト、JINS MEME も受賞していました。これ和田さんのデザインなんだな。


JINS MEME



面白かったところでは 2007 年設立のユカイ工学さんの BOCCO 。


BOCCO



2014 年設立の Qrio スマートロックも。

Qiro は SONY の技術陣がしっかり関わっているだけあって、クオリティがとても高い!


Qrio Smart Lock



このスペース内に収めるには色々な選定要素があったことと思うが、ベンチャー企業のハードウェアプロダクトの受賞が多いのは嬉しかった。


未来のプロダクトにはデザインは切っても切れない、大切な要素だと思う。


こういった新しいタイプの企業がどんどん社会の目に触れて勢いづいてくれば、もっともっと日本のメーカーが盛り上がってくると思う。



世界をリードできるような企業が早く登場してくるといいなと思う。





A.Oono

Borderless Inc.

11.30.2015

IoTについて その13

こんにちは、DKです。

前回はざくっと大まかなスマートウォッチ類について紹介しました。
今回からは具体的にピックアップします。


まずはフランスの家電メーカー、Withingsが今年1月に発表した「Withings Activité」を紹介します。

Withngs / Withings Active


機能としてはメインはフィットネストラッカーが主で、加速度センサーを内蔵し、装着したユーザーの活動量や睡眠パターンの分析を行います。また他のスマートウォッチ同様、通知を振動で知らせる機能もあります。

スマートウォッチというと時計盤がディスプレイになっているイメージがありますが、これにはディスプレイはありません。通知機能もバイブのみの簡単なものです。やや機能を制限している印象を受けますが、例えばディスプレイを持たないため頻繁に充電する必要がなく、ボタン電池で8ヶ月動作するという大きなメリットがあります。

0~100までの文字盤は、毎日の活動目標の達成率を示す。


またBluetooth経由で計った活動記録や睡眠記録はスマホで確認する様になっており、デバイス1台に全部押し込まないという機能の分割が上手にされていると思いました。形状も普通の時計と変わらないので、スマートウォッチに親しみのないような世代に受け入れやすい製品でもあるでしょう。

11.28.2015

The Value of Concept

バイクの記事(しかもコアな)なので、興味のある閲覧者は限られてしまうかもしれないが。。







MT-10 が先日のイタリア、ミラノの自動車ショーである EICMA で発表された。


前職で関わったのが MT-09 Tracer までだったので、その後こんなプロジェクトが立ち上がっていたとは知らなかった。


WEB で MT-10 と検索しても、今のところ金属保護膜生成のスプレーがヒットしてしまうが、今後はもっと話題になっていくに違いない。。




実機を見たわけではないので、製品写真をいくつかの角度から見た印象だが、一言で言ってしまえば、残念だ。



MT というモデルは Master of Torque の頭文字をとったもので、自身が GKデザイナーだった頃は一つの象徴的なシリーズだった。


初代 Dynamics 社長も思い入れを持っていたモデルで、GK のベテランデザイナーがこぞってアイデアを出し、徹底的に作り込んだプロダクトだった。


2013 年に MT-09 が口火を切った後、MT-07、MT-09 Tracer、MT-25、MT-03 とどんどんラインナップを拡充してきている。



そして今回、"The King of MT" というコンセプトで来たのがこのモデルだった。









はっきり言って、これはコンセプトとは呼べないと思う。


MT にそもそも "King" はないし、必要ない。

"King" という単語そのものも、少々 時代錯誤だ。


デザインのみ眺めてみても、アピアランスから感じられる「デザインのメッセージ」はこれといってない。


R1 のエンジンは素晴らしいだろうし、それをストリートでも楽しめるリセッティングも技術の賜物だろう。


ただ、それ以外のユーザーへの新提案はないし、デザイン / スタイリングで表現されるべき「新しい乗り物の楽しみ」を見ることができなかった。


MT-09 や MT-07 で生み出されたライディングポジションの新提案や、乗り方そのものをユーザーが見つけられるような取り組みは MT-10 にはなさそうだ。

そこが残念だ。



ずいぶん派手に取り付けられた意味のないシュラウドやスタビライザーは、無駄に製品価格を上げる理由になるだろう。


突き詰められたシンプルさが MT シリーズに共通する特徴だったが、ヘッドランプ周りは他社を意識したようなキャラクタリスティックな動物的表情、ボディとのバランスがいいとは思えないサイズ感、重ったるい印象のタンク、いらないのでは・・と思うような外装類が、コンセプトをさらに曖昧にしている。


新しいデザイン言語を見つけるためのひとつの取り組みだと言われれば、納得する以外ない。

が、MT というシリーズに思い入れを持っている層(MT カスタマーはほぼ例外なくそうだ)に対して、もっと向き合ったデザインをして欲しいと思った。




ただ、あまり言い過ぎると・・呼び出しを食らうかもしれない。






MT-10 : Ray of Darkness





A.Oono

Borderless Inc.

11.16.2015

Hacker's Union






テレコムセンターで 2 日間に渡って開催された、ハッカソンに参加してきた。


アイデアソンには以前一度参加したことがあるが、ハッカソンは初めてだ。




総ハック時間 38 時間に及ぶ、気の遠くなるような 2 日間だったが、良い経験になったし、得たものも大きかった。


14 日午前 10 時の開会宣言から、午後の「ハック宣言」と呼ばれる中間発表。

この中間発表時に「ハックするテーマ」を宣言する。



その後はひたすらハックタイム。

この二日間で、これまでの 5 年分くらいの「ハックする」というワードを耳にすることができた。


自身はほとんどプログラミングの心得がないので、一緒に参加した、小学 3 年の頃から知っている TS 君との協業。

結局その日はテレコムセンターの 14 階に泊まりこむことになり、久々の耐久制作作業。
提供されるお弁当は美味しかったが、この 2 年ほどの間で稀に見るハードさだった。




ただただ面白かったのは、Geek と呼ばれる人たちの輝かしさ。


「ぼっちソン」と称して、たった一人で膨大なコーディングに立ち向かう男前プログラマーもたくさんいた。


彼らがざっと教えてくれただけでも、プログラミング言語には

Java, Rails, JavaScript, Nord JS, C+, C++, Unity, Swift, Ruby, Perl, Scala, Python, PHP, C#, jQuery

など気が遠くなるほどあり、マルチな Geek (マルチ言語派というらしい)は、複数の言語を使いこなす。


今回のハッカソンでは、それら複数の言語を鮮やかに使い分けてシステムやサービスを構築しているプロダクトをたくさん見ることができ、非常に良い刺激になった。


見たところ、彼らはあまりビジネスライクにプロダクト開発に取り組むことはないようだ。

「仕事じゃないので、真面目に取り組みます」

と慎み深く言い切る姿には笑ってしまった。


「自分が欲しいから」とか、「何となく作ってみたいと思ったから」といった理由で、とんでもないクオリティのプロダクトをたった 38 時間で生み出す姿はインスピレーションに溢れている。


また、開発者の聖なる言葉なのか、


「そして、世界をつくります」



「すなわち・・世界をつくります」


と穏やかな笑みを浮かべつつ言い放つ姿も、単純に格好いいと思った。



「音声認識を利用したブレストのためのインターフェース」や「顔認識で可能にする健康管理」、「夢のコントロール」、「顔整形シミュレーションツール」など、どれもユニークな視点とコンセプトで楽しかった。



自身のチームは「半径 2 km以内でワークアウトの仲間を探し出す」というコンセプトで   TeamUpper と冠した Web サービスの構築にチャレンジした。

不定期・不規則な仕事の後や、国内/海外などの旅先で、ローカルのワークアウト仲間を瞬時に探し出し、アクティビティやイベント、地元の愛好会にジョインすることができるアプリケーション。

個人同士でオファーを出し合うこともできる。

走るペースや相手が上級者かどうかなど、事前に星のグレードなどで確認するアイデアも。

ワークアウトの airbnb や UBER の周囲の可視化サービスのイメージを組み合わせたプロダクトにしたかった・・が、いまいち Hack が足りなかった。

自分が身近にあったらいいと思えるサービスなので、もう少し詰めてみたい。


www.teamupper.jimdo.com(*unfinished)



今回一つ学んだことは、デザインこそハックの精神が最も大切であるはずなのに、それが出来る個人や企業がとても少ないこと。


思えば自身がデザイナーを目指したのも、「世界をつくりたい」からだったと思う。


アトムとビットと形は違えど、彼らの「つくる精神」にはとても感銘を受けた。


そろそろ寝ずに 42 時間になるが、、参加できてよかった。















A.Oono

Borderless Inc

11.03.2015

IoTについて その12

こんにちは、DKです。

このブログでスマートウォッチといえばPebble timeを挙げる事が多かったので、今日は他スマートウォッチについても紹介したいと思います。

スマートウォッチはOSによって機種が分かれるものの、基本的にスマートウォッチはどれも同じと言えます。形状は時計型で、主な機能は健康管理、ユーティリティ、ナビ、アプリの通知、着信、メールの通知になっています。

たとえば国内メーカーのソニーは、自社がAndroidスマホを作っていることもあってAndroidに対応したスマートウォッチを出しています。機能数でラインナップを構成しており、主に3つに別れます。
1.画面を持たず、ライフログ機能に特化したSmartBand。 
2.簡易の白黒液晶を有し、通知、通話機能を付加したSmartBand Talk。
3.カラー液晶で様々なアプリを楽しめるSmartWatch。
Sony / SmartWatch 3



韓国メーカーのサムスンもウェアラブル製品に注力しており、現在5製品あります。(スマートウォッチ以外も含む)
特筆すべきはハイエンド機種のGear Sで、3GのSIMに対応しています。そのためスマホなしの単体利用が可能です。メールの返信は難しいでしょうが、通話がメインであればこれ1台で済むユーザーも考えられますね。

Samsung / Gear S


ここまでの2社はどちらもAndroidのみの対応です。
iOSに対応している代表的なスマートウォッチといえばアップルのApple Watchですね。

Apple watchは機能ごとでラインナップを分けられておらず、同一機能、本体サイズ、素材、色でバリエーションを多彩に見せています。
Apple / Apple Watch


こうして並べてみると、どのメーカーも同じスマートウォッチとはいえ、商品展開に大きな違いがあることが見えてきますね。なかなか興味深いです。

次回はいくつもあるスマートウォッチから何点かピックアップして紹介したいと思います。

10.26.2015

Niche is Cool

ニッチであること。


ベンチャープロジェクトをするには必要なことだと思うのだが、なかなかそれを
実現していくのは難しい。

ニッチであればあるほど、消費者と投資家の興味を引くことは難しいからだ。

しかも、ニッチはニッチでも選択を間違えたニッチは悲惨だ。

ここが重要なポイントかもしれない。










GoPro のストーリーは、モノをデザインする身としてはとても胸に響くものだ。


「自分のサーフィン映像をカッコ良く撮りたい」


プロダクト開発の動機ははじめはそれだけだったそうだ。

そして実際に試作機を取り付けてサーフィンした。サーフィン専用の、小型ビデオカメラ。

究極のニッチマーケットだと思う。


レーシングカーに取り付けて撮影している有名な映像ですら、たまたま偶然、その用途を思いついたものだそうだ。


GoPro は究極のニッチから生まれた好例だと思う。

その後 動物や、赤ん坊に取り付けて彼らの視点を記録する新しい使い方がユーザー主体
で行われ、それを体験したいがために皆がこぞって GoPro を購入した。

今や他社の類似製品の追随を許さない、300万台以上を売り上げる人気製品になっている。


開発当初は投資家はほとんど見向きもしなかったんじゃないか、と思う。

GoPro の投資家リストは

SteamboatVentures, Riverwood Capital, Sageview Capital, Walden International, US Venture Partners

 いわゆる「よく名前を見る」類いの投資会社ではないようだ。


ニッチでありながら、人の心を捉えて離さない体験が提供できたら、成功するんだと思わされる。





もう一つ、ニッチと言うのか、そもそも必要とされていたのかと思ってしまう製品。

Nike Air Max '95。


この頃にこんな尖ったデザインのスニーカーは見なかったし、流行っていたわけでもなかった。

突然表れて、爆発的にヒットした、良い製品だったと思う。

履き心地も最高で、機能的にも優れた製品だった。(エアは脆かったが)

(何だか久しぶりに見ると欲しくなってきた!)







Nike はこういったベンチャー精神というか、「時代の気分」をしっかり捉えた製品づくりが上手いと思う。

「みんなが欲しくて、世にないものをつくる」姿勢が一貫していて楽しい。


先日の「Back to the Future」に登場したスニーカー「Nike MAG」も、 M. J. Fox 自身を起用して発表するなど、ユーザーを楽しませてくれる。



靴ひもが自動で締まるスニーカーなど・・


と世の目利きのキャピタリストは笑うかもしれない。

でも、発売された時には一番に買いたい、と個人的には思う。











A.Oono

Borderless Inc.

10.17.2015

つくる : Make Things


先日、資金調達に特化したセミナーに参加してきた。

この手のセミナーにはほとんど参加したことがなかったが、自分の見えていなかった領域や考え方を知るとても良い機会になった。



ベンチャープロダクトをつくり始めるスタートアップは、どうしても開発資金が枯渇しがちだ。それを補うために様々な方法で資金調達をする。

家族や知人、銀行からの借り入れは昔から一般的だが、近年では株式交換を利用しての資金調達も多いようだ。

エンジェル投資家やベンチャーキャピタルも投資に積極的になってきているとも言われる。

セミナーでは、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、グロービスキャピタルパートナーズ、サイバーエージェントベンチャーズ、YJ キャピタル、インキュベイトファンドといった投資会社やファンドのキャピタリストの面々が、投資に値する事業やトレンド、調達で気をつけるべきポイントなど個人的に非常に興味深く聞くことができた。(専門用語もかなり多く難解だったが)



特に印象深かったのは、このところ国内の投資が過熱気味なので、投資には慎重になっている、という話。

あと、モバイルゲームや SNS、WEBサービス系のベンチャーが一段落し、次の注目分野についての話だ。


業界内では常識なのかもしれないが、これからの投資の注目分野は

・ヘルスケア
・バイオ
・VR
・AI
・IoT 
・宇宙開発

なのだそうだ。

しかしどれもまだ技術的に画期的にスケールできそうなものは見つからず、しばらくは静観する、ということだった。


ただ、US ではこの分野では 2013 〜 2014 年にかけて買収の大きな動きもあったので、少し流れに差があるようにも感じる。
Oculus VR の facebook による 20 億 USDの買収は記憶に新しい。

あまり詳しくはないが、AI 分野のベンチャーについても記事を目にすることは多い。

ヘルスケア分野でも Theranos の企業価値の増加はよくニュースにあがる。



個人的に気になったのは、終始話の中心にあったのは「これまでのWEBサービス」にフォーカスしたベンチャー投資だったこと。

GREE や DeNA、CrowdWorks など、確かに国内では何かと話題に上がることの多い企業だが、世界に新しい何かを提案するほどのスケールがあるかと言われると、実感がわかない。


ひょっとすると、「モノのビジネス」に対する知識や投資ノウハウが投資家の間にまだ溜まっていないのかもしれない。


質疑応答のとき、ある壮年の方が

「IT 分野の投資については非常に良く分かったが、『モノづくり』についてはどう思っているのか」

と言われた時の場の凍りついた感じがなかなか面白かった。

きっと誰にも分からなかったのだろうし、スケールする可能性そのものが分からない(試算できない)のだと思う。



自身がプロダクトデザイナーということもあり、これまでの生活の興味の中心はいつも

「衣・(食)・住」
「遊・登・泳」

に関するものだった。


画面の中の世界に心の充実を見いだしたことは一度もない。


同じ US 発のサービスでも GoPro を使ってのアクティビティや動画をいじる方が好きだし、Google よりも Apple のビジネスモデルの方が好きだ。

自分のオリジナルで組み上げた自転車を漕ぐ疾走感や、愛車のクラシックミニの挙動やダイレクトな操作感、初めてヨーロピアンビッグシングルに乗った時の笑いがとまらないわくわく感など、「モノ」をもっと突き詰めて、便利でより良い姿にデザインしたい。


WEB サービスの開発よりも、よっぽどリスキーでたくさんの行動が必要(だと勝手に思っている)だが、ひとつずつクリアしていきたい。









A.Oono

Borderless Inc.

10.16.2015

IoTについて その11

IoTについて調べてみると、どれもBtoB向け製品が多く、また古くから研究されすでにその多くが実用化されつつあることが分かってきました。

今回紹介するのはAmazonの膨大な注文を捌く配送センターで使われているロボット、「Kiva」です。

Kivaはルンバのような形をしており、コントロールセンターから司令を受けると商品の入っている棚をを持ち上げ、梱包作業場まで運びます。Kivaの導入によって、梱包作業場を離れて商品を探しに行く必要が無くなり、さらに人が通るスペースを確保する必要が無くなる事で、より多くの在庫を確保できるようにもなっています。


この新しいシステムによって作業効率は2〜3倍まで向上、コストは20%削減することができたとのこと。Amaznon全体の人件費では、金額にしておよそ500〜1000億円の削減にもなるそうです。

Amazonはドローンを使った30分以内の宅配サービスを計画中であるなど、自動化について積極的です。現在のところ、梱包作業は手作業のようですが、いつかは工場から配送まで完全自動化されるかもしれませんね。
Amazon Prime Air

10.01.2015

Most Innovative Company 50

最近、色々な記事で「最もイノベーティブな◯◯」というランキングを目にするようになった。


どういった評価基準をもってランク付けをしているのか、まで読み込むことは少ないが、興味のある記事なので 50 位くらいまでは流し見ることも多い。



インターネットで検索をかけると、海外の出版社や学術機関ではそれぞれ独自の基準で" The World's Most Innovative Company "をランキングしているようだ。


面白いと思ったので、一つのページ内に列挙してみようと思う。



始めに目にしたのは MIT によるもの。
( MIT = Massachusetts Institute of Technology )

言わずと知れた理系の世界最高峰教育機関。


Ranking 50 :

1. Illumina

2. Tesla Motors

3. Google

4. Samsung

5. Salesforce.com

6. Dropbox

7. BMW

8. Third Rock Ventures

9. Square

10. Amazon

11. Tencent 12. Snapchat 13. Cree 14. Box 15. Bright Source Energy 

16. Wal-Mart Stores 17. General Electric 18. Qualcomm 19. Kaggle 20. Second Sight

21. SpaceX 22. Kickstarter 23. Hanergy Holding Group 24. Siemens 25. 1366 Technologies

26. Uber 27. Evernote 28. Baidu 29. GitHub 30. Xiaomi

31. Oculus VR 32. Qihoo 360 Technology 33. Monsanto 34. Aquion Energy 35. IBM

36. Jawbone 37. Medtronic 38. Valve 39. Genomics England 40. D-Wave Systems

41. Siluria Technologies 42. Kaiima Bio-Agritech 43. Datawind 44. Freescale Semiconductor 45. Upworthy

46. LG 47. Expert Labs 48. AngelList 49. Arcadia Biosciences 50. Ripple Labs


日本企業の元気がないのがよくわかるリストだと思う。
テック系スタートアップのランクインが目立つ。



次は Forbes によるランキング。

Forbes は言わずと知れた経済誌。日本版も最近刊行された。


Ranking 50 :

1. Tesla Motors

2. Salesforce.com

3. Alexion Pharmaceuticals

4. Regeneron Pharmaceuticals

5. ARM  Holdings

6. Uniliever Indonesia

7. Incyte

8. Amazon

9. Under Armour

10. BioMarin Pharmaceutical

11. Baidu 12. AspenPharmacare Holdings 13. Monster Beverage 14. Catamaran 15. Vertex Pharmaceuticals 

16. FleeCor Technologies 17. CP All 18. Verisk Analytics 19. Rakuten 20. Shanghai RAAS Blood Products

21. Naver 22. Hermes International 23. Magnit 24. Chipotle Mexican Grill 25. The Priceline Group

26. Red Hat 27. Netflix 28. Amorepacific 29. Marriott International 30. Mead Johnson Nutrition

31. Valeant Pharmaceuticals 32. Visa 33. Coloplast 34. Cerner 35. Illumina

36. MasterCard 37. Stericycle 38. Fast Retailing 39. VMware 40. Perrigo

41. Hindustan Uniliever 42. TransDigm Group 43. Keurig Green Mountain 44. Fastenal 45. Starbucks

46. Cielo 47. Almarai 48. Kone 49. Iliad 50. Whole Foods Market


" Pharmaceuticals "の製薬関連の企業が目立っているように思う。

MIT のランキングと比べると、テック系スタートアップの割合が少なく、より産業全体の中の" Innovative "を考察しているように感じられた。

ただ、日本では聞いたこともないような企業も多いので、どこまで" World's Most "なのかは
わからない。



次は FAST COMPANY のランキング。

FAST COMPANY も有名な経済誌だが、日本だとあまり馴染みがない。Magazine of the Year 2014 を獲るほどの非常にエクセレントな雑誌だそう。今度読んでみよう。


Ranking 50 :

1. Warby Parker

2. Apple

3. Alibaba

4. Google

5. Instagram

6. Color Of Change

7. HBO

8. Virgin America

9. IndiGo

10. Slack

11. Houzz 12. Catapult 13. Inventure 14. LINE 15. WeWork 

16. Gilead Sciences 17. Tesla 18. Toyota 19. Cree 20. Stripe

21. Next Big Sound 22. Da-Jiang Innovations 23. Eataly 24. Fuhu 25. Apricot Forest

26. E La Carte 27. Panera Bread 28. General Assembly 29. Ammunition 30. Netflix

31. Made In Kigali 32. SoundCloud 33. Kickstarter 34. Wandoujia 35. Gumroad

36. Westfield Labs 37. AnyPerk 38. American Giant 39. Revolution Foods 40. Ikea

41. Samsung 42. Algramo 43. 72andSunny 44. Silver Crystal Sports 45. Anki

46. Perfint Healthcare 47. Omada Health 48. El Mind A 49. Mark43 50. L'Oreal



同じ US の経済誌でも評価ポイントが違うとここまで違うのか、と驚く。

ひとつひとつの企業の認知度の面からいくと、比較的若い人にとっては「なるほど!」と思えるランキングかもしれない。


いずれにしても、日本発の企業・スタートアップのランクインが目立って少ないのが気になった。残念だ。

日本の企業が" Innovative "と見られない理由をじっくり考えたい。









Tesla Motors のファクトリー。ほぼ全ての工程がロボットによるオートメーション。
これは確かにイノベーティブだ。





A.Oono

Borderless Inc.

9.29.2015

IoTについて その10

こんにちは、DKです。
早いもので、IoTの記事も10回目です。

「I4.0」という言葉をご存知でしょうか?
ドイツの国家プロジェクト「インダストリー4.0」の事で、工場のデジタル化を目指しています。
製造に関わる機会をネットワークで繋ぎ、開発から生産、流通までのデータを共通化することで、情報をリアルタイムで収集、分析します。それによって自動的に生産量を調節できるようになったり、量産品と同じコストで小ロット製品を作ることができるようになるなどと言われています。

4.0の数字が表す通りこれは4番目を指していて、何の4番目かというと、第四次産業革命を意味し、「IoTによる自動化」と言われています。
これは18世紀後半の「蒸気機関による自動化」(第一次産業革命)、20世紀初頭の「電力の活用」(第二次産業革命)、1980年代以降の「コンピューターによる自動化」(第三次産業革命)に次ぐ位置づけです。

ドイツがI4.0を推している背景には、低コストを武器にしている他国や製造領域に進出を加速しているアメリカのIT企業への牽制があり、I4.0を標準化することで次世代の製造業界でリードしたいという思いがあります。

セキュリティの面や通信インフラの整備など、現状での課題も多いようですが、I4.0規格の標準化が進み、小ロット生産が主流になれば、普段お店で目にするような工業製品にも目に見える変化が出てくる可能性が大いにありますね。