2.20.2016

Favorite Ferrari.


599 GTB




ニューヨーク証券取引所に、フェラーリが上場した。

もう何ヶ月も前のニュースだが。。



その時点で時価総額は 1 兆 2500 億円になったらしい。



フェラーリの各モデルは、必ず 0 の並ぶキリのいい数字から 1 を引いた生産台数にする。
(生産台数 599 台、生産台数 799 台など)


これは、意図的に市場に枯渇状態を生み出す象徴としての狙いがあるそうだ。
かなり前に LdeM(ルカ・ディ・モンテツェモロ)前会長のインタビュー記事で目にした。


そういった「市場に枯渇状態を意図的にもたらす」戦略がこの株式上場でも奏功したらしい。

フィアット・クライスラー・オートモービルは保有株式の 10 %程度を市場に放出したそうだが、この株式数の少なさが「株式のブランディング」として効果を発揮したらしく、希少価値ゆえに高い株価で取引されているらしい。




前職の会社員デザイナーだったとき、フェラーリの株式を保有してみたくて証券会社に行ったのが懐かしい。会社員二年目くらいの、初めての株式投資。

上野の三菱UFJ証券だったか。


ラフな格好でカウンターに座り、「フェラーリの株式が欲しいんですが。。」と言って調べてもらった。

普通は適当にあしらわれるものだと思うが、上野に勤める人は大体気が良いのは大学の頃から知っている。


親切な証券マンは

「フェラーリは株式公開していないんじゃなかったかな。。」

とか何とかいいながらデータを調べてくれ、

「いや〜、やっぱりフェラーリは非上場企業ですよ〜。やっぱりファミリービジネスですからね〜」

と言っていた。


ニュースを読みながらふと思い出して懐かしかった。

F1 のパドックに招待してくれるなら、改めてすぐにでも株主になるのに。。




好きなフェラーリのモデルを掲載してみた。やっぱり美しい。




250 GT




DINO 246 GTS




フェラーリはなんだかんだ言って、デザインビジネスの中の伝説だ。


いまだに年間生産台数 7,000台 そこそこの企業が、「レーシングへの情熱」と「美しいデザイン」で圧倒的なブランドと一兆円企業を築いてきた。



この先も、これまでと全く同じ姿勢でずっと続いていって欲しい。

いずれは顧客として応援できるようになるといい。






A.Oono

Borderless Inc.

2.06.2016

Drone War


US でドローン開発が盛り上がってきている。



Amazon、Google も自社サービスに生かす製品を次々と実験しているようだし、Hexo+Lily など、すでにヒットしている(Lily はまだ出荷すらしていない段階で 6 万台を販売している!)製品も多くなってきた。


製品デザイン/開発を手がける身としては、非常に興味のある分野だが、個人的にさらに「早く実物が見たい!」と思わせる製品が発表される。








GoPro KARMA。


全く仕様やスペックは明らかにされていないが、どうも 2016 年内にローンチされる様子。

以前 DJI と共同開発している時期があったそうだが、どうも利益の交渉で物別れになってしまったらしい。


その後社内開発をしてきた、ということか。。

先日買収した、360° VR映像会社の kolor 社の技術が使われているという噂。



上の映像内、スキーヤーのゴーグルに何となく映る KARMA。






飛行に関しては自動で ON モードになるようだ。

加速度センサー、ジャイロセンサーで姿勢制御しているのか・・?


あまり製品デザイン的には派手なところのない GoPro 社だが、個性が必要になるドローンデザインにどんな形にしてくるのか楽しみだ。







Google Drone




Amazon Drone




日本メーカーのドローン開発は全く聞かないが、参入しないのだろうか。。

スマートフォンやMP3プレーヤーの時のように手遅れにならないように、Made in Japan が早くみたい。







A.Oono

Borderless Inc.

2.04.2016

X1 on Motorcyclist


CrossHelmet  X1 の記事が先日 1 日発売の Motorcyclist 誌に掲載されました。

特集 Pickup のページに 1 ページ割いていただいています。


#IoT や #SmartHelmet というキーワードも織り交ぜながらわかりやすく解説いただいています。






シリコンバレーを中心に、これらの言葉は当たり前のように使われていますが、
まだまだバイクの業界には馴染みのない言葉。


バイク業界は四輪業界と比べて、ハードウェア自体の進化のスピードは遅く、それに不満を覚えているライダーも少なくありません。

どちらかというとギークが多いのがバイク業界なので・・



やはり二輪は四輪と違ってスペースの制約が大きいので、センサーや基板、バッテリーなどを充分に積載するだけの場所がない、それが問題です。


#MT-09 デザインの時も、スペースに関しては相当苦労しました。

ある種の割り切りや開き直りがないと、つくれなかった。

ほぼ荷物の入らないシート下。カッパや工具、ETC など全てユーザーの意見を聞いていたら、あそこまで切り詰めたデザインは実現できないです。


スペースの制約がある中、色々な電子的な装備を実装するのは容易ではない。雨天対策も必要になります。

残念ながら、バイクのスマートデバイス化、相互コネクト機能などが実現するのはまだ 5 年以上かかるのではと思っています。

オートパイロットなどに関してはさらにハードルが高そう。



そんな「バイクでできればいいこと」を、CrossHelmet では実現していきます。


Crosshelmet.com/


是非サインアップして、コミュニティに参加してください!









A.Oono

Borderless Inc.

1.30.2016

Stanford Battery

今朝、面白いニュースを見つけた。


スタンフォード大学が開発したという「燃えない」リチウムイオンバッテリー。

これは魅力的だ。

しかもとても将来性があると思う。



これまで当たり前のようにモバイルに類する電化製品にはリチウムイオンバッテリーが搭載されてきているが、その危険性についてはあまり深刻に取り上げられることはなかった。

大きく取り上げすぎると、便利な生活製品が市場からほぼ姿を消すことになるから。


ただ、YouTube などの個人投稿では、このリチウムイオン電池を叩いて爆発させたり、意図的に発火させたりと色々な恐ろしい動画が上がっている。


ラップトップPCがびっくりするほど熱い、という経験は誰しもあると思う。

電化製品が発火したというニュースもたまにみる。


ただそれでも使われ続ける理由は、環境面や性能面、効率面で最も制御しやすいからだそうだ。

進化の余地も大きく残っているだろう。



そんな進化が待たれる状況の中でのこのニュース。








開発したのはスタンフォード大の研究チームだそう。


さすがシリコンバレーの中心なだけあって、このバッテリーのビジネス規模については分かっていらっしゃるのだろう。


これからのモバイル・ IoT 製品、AR/VR 製品、カー・トランスポーテーション製品はほぼ全てリチウムイオン電池が使われることになるだろう。








大きな需要が見込まれるだけに、他の企業や研究機関の開発競争も激化していくかもしれない。


より安全性が高く、コスト競争力も出てくれば、とってもありがたい。






A.Oono

Borderless Inc.

1.26.2016

TIPS

自分なりの Tips として。


以前 Angel List にアカウントをつくっておいたら??というようなことを Valley で活動している知人に聞いたので、その後三ヶ月ほど経ってアカウントをつくってみた。

要は Startup 向けの SNS だ。


日本にはサービスインしてないようなのであまり知名度は高くないが、US では Valley や NY を中心に利用者はすごく多いようだ。

もともと Startup をやろうなどと考える人自体限られているので、このサービスそのものもよく開発したものだと感心する。

monetize どうするんだろう。



個人的な感覚だが、US という国は「とにかくやっちまう」人種の多い国なのだと思う。


世の中が便利になること、今までになかったこと、自分が欲しいもの。そういったものを片っ端からつくってしまうのだ。

 Do It Yourself の精神で。



デザインを学校で勉強していた頃は、アメリカという国にあまり興味を持てなかったが、「新しいモノ・コト」を生み出そうと活動を始めると、だいたい先を走っているのはアメリカにいる誰かだ。

これは深刻なことだ。



アカウント作成は英語だが、難しいことはあまりなく、プルダウン式で Profile を記入していく。

驚いたのは、日本の大学名を入れる欄で、[ Tokyo~ ] と入れると予測変換で [ Tokyo University ] とすぐに表示がされるところ。

正しくは [ University of Tokyo ] だが、この大学名でアカウント登録しているのは何と数千人。

やっぱり違うなあ、と思った。ネットワークが。

OB/OGが世界中でつながっている。



そして、自身の出身大学の名前を入れてみてさらに驚いたのが・・

何とヒット件数 ゼロ。


つまり、AngelList で [ Tokyo University of the Arts ] を最初に登録したのはぼく、ということでいいんですね。


[Tokyo National University of Fine Arts and Music ] でも結果は同様だったと思うので、本当に諸先輩方はどこで何をやっているんだろう。
結構歴史は古い大学のはずですが・・



あと、Startup の活動地域を選択する欄があり、そこに平均的な Startup の Valuation が数値化されて掲載されている。

US を中心に世界中の都市が羅列されていたので、興味深くみたあと、さて Tokyo は・・と思ったら、何と候補の中にない。

探し方が悪いのか、本当にないのか、これはびっくりした。

London や Seoul、Tel Aviv はあるのに。


「東京はスタートアップに向いていない」という記事は半年に一回くらい目にするが、日本のシーンはあまり先端をいっているのではないんだな、と改めて思った。



で、エントリーの何が Tips なのかというと、
将来スタートアップを志すなら、ネットワークの強い大学に行くべきだ、ということ。

そして、東京でやるのもビハインドになり得るので、もしどうしても日本でやるなら、それなりの覚悟を決めてやる必要があるということ。


諦めずにがんばりたい。









A.Oono
Borderless Inc.

1.25.2016

MT-09 & MT-09 Tracer

また MT-09 関連のコンテンツになってしまいますが・・


先日 BIG MACHINE 誌さんから最新号をいただき、その内容が「世界のビッグバイクオールアルバム」という内容だったのでご紹介。


その中で、昨年の国内販売台数が掲載されており、目を通すと。


1.  MT-07 (YAMAHA)  2,562 台

2.  MT-09 (YAMAHA)  2,422 台

3.  MT-09 Tracer (YAMAHA)  2,406 台

4. Sportster 1200 (HARLEY DAVIDSON)  1,947 台

5. CB1300SF / SB (HONDA)  1,450 台

6. Sportster 883 (HARLEY DAVIDSON)  1,344 台

7. GSX-S1000F (SUZUKI)  1,303 台

8. CB1100 (HONDA)  1,267 台

9. Softail (HARLEY DAVIDSON)  1,150 台

10. BOLT (YAMAHA)  1,123 台


*401cc~の大排気量モデル比較のみ。 (BIG MACHINE 誌より)

という結果。

MT シリーズが 1, 2, 3 と上位独占していた。


MT-09はこのカテゴリーで 2014年 - 2015年の販売台数 1 位だったので、好調が続いているようで、非常に嬉しい。


しかも、次点に入っているのがこれまた MT-09 で、プラットフォーム戦略の派生モデルである MT-09 Tracer だった。


コンセプトデザインとデザインスケッチで開発のキックオフから携わったプロジェクトなので、これもとても嬉しいニュースだ。


どちらも思い入れ深いモデルだが、大変だったのはやはり MT-09 の方だろうか。。




MT-09




MT-09 Tracer



Tracer では安易な MT のファミリーデザインを狙うのではなく、全く違う表情やキャラクターの演出を考えた。

当初は " Floating "というデザインテーマでアイデアを練り、各空力パーツが「浮いている」ような軽やかなデザインを提案した。


製品にもそのキャラクターがよく反映されたと思う。

最初のキースケッチから概ねデザインは踏襲されている。


無駄のないシンプルなラインと「薄い」サーフェスの造形。


BMW の GS シリーズに代表されるような、「低重心で安定感のある」デザインがこのカテゴリーの特徴だが、そのトレンドとは真逆をいく、軽やかでシャープ、エッジが効いて繊細な表情をデザインで表現した。

製品化にあたって少しもっさりしたボリュームも加わってしまったようだが、ユーザーには受け入れられているようなので安心した。


欧州には Dark Dog Rallye Moto Tour というレースがあって、このレースはレギュレーションの縛りが厳しくなく、色々なタイプのモデルが参戦する。

そんな異種格闘技のレースで最強、最速を目指したモデルだった。




こちらも北米、欧州を中心に日本、東南アジアなど世界中に展開されるモデルなので、街でもし見かけることがあったら、



「良いご趣味ですね」



と声をかけていただけたら嬉しい。





A.Oono
Borderless Inc.

1.08.2016

BMW's Smart Product

新年あけましておめでとうございます。


Borderlog をじっくり書く時間がとれず、、、

もっとおもしろい記事をじっくり考えて、2 日に 一度くらいは
エントリーしたいと思っていますが、、、


なかなか時間をとれなさそうなので、無理せず今年も昨年並みのペースで、思いついたことをデザイン、IoTプロダクト、ベンチャー、スタートアップ関連で書いていこうと思います。

今年もどうぞ宜しくお願いいたします。



さて。。

先日知人から情報をもらい、BMWの新しいプロジェクトについて知るきっかけになりました。



以下はBMWが開発に着手する、スマートヘルメットのコンセプトモデル。






ついに来たかという感じですが、今のところ「数年後の量産目標」という控えめなアナウンス。


確かに市場が存在するかどうかのマーケティングデータなどはほとんどなく、安全基準や電子部品の内蔵というかつてない技術を「BMW品質」で作り込むには、相当な時間がかかるということでしょうか。







我々 Borderless が開発中の CrossHelmet  model X1とはデザインも設計思想も違いますが、Dragon Ball に出てくるスカウターのような HUD が未来感があってかっこいい。

前方にはドライブレコード用のカメラを搭載しているように見える。




走行時の表示はこのようになるらしい。








デザインは最近欧州でトレンドのクラシックトラッカーに合わせたオーソドックスなスタイル。









ひとつネガティブなポイントを挙げるすれば、ジャーマン体型に合わせてつくられた、かなり大きな帽体だろうか。

頭が大きく見えるヘルメットを嫌うアジアのユーザーは多い。


このスカウタータイプの HUD も、これまで調べた限りでは実用化できるレベルの部品サプライヤーはまだないはずなので、体験できるようになるのは少し先になるだろうと思う。



ただ、BMWが企業として優れていると思うのは、現在この手の「市場規模が見えない」プロダクトに対して R&D 開発投資を積極的に行っている点だ。

しかも四輪車の i8i3 のように、それらをきちんと市場に投入できるレベルまで「つくりきる」点。

この姿勢が「イノベーティブな企業」というブランドイメージの構築に大いに貢献していると思う。

過去には System 6 Evo という High-Tech ヘルメットも販売している。


SKULLY や BMW に負けないように、しっかり開発を続けたい。





A.Oono
Borderless Inc.

12.16.2015

Samsung Gear S2

こんにちは、DKです。

今日紹介するのはサムスンのGear S2です。今年の10月に発売されたばかりです。
ちなみにサムスン初の円形タイプスマートウォッチです。

UI image

スクリーンは完全な円形で、発色もPebble Time Roundとは比べ物にならないくらい精細ですね。グラフィックデザインも円形ディスプレイに合わせ、力を入れているのが分かります。

スマートウォッチの操作というと、タッチ操作、ボタン操作ですが、このGear S2はベゼルが回転します。それにより、中のUIと連動した快適な操作性を得ていることが最大のデザイン的な特徴でしょう。

Apple Watchもリューズに見立てたダイヤル操作を搭載していますが、Gear S2の方がUIとベゼル操作の回転軸が同じなので、より優れている操作性だと思います。

Samsung Gear S2 / Samsung Gear S2 classic
製品ラインナップにはクラシックタイプも用意されており、ベゼル部分のデザインも差をつけています。中身は同じですが、全く違う製品に見えますね。
この製品展開も面白いと思います。

同じデザインの時計画面を表示させた時の比較


造形面では、ベゼルの内側に面をつけることでより円形である形状がより印象的に見えるような工夫がされています。ベゼル部分以外の造形はあえて凝らないことで、より天面のディスプレイとベゼルが引き立っています。

12.14.2015

IoTについて その14

こんにちは、DKです。

前回は既存の時計に近いスマートウォッチを紹介しました。Withngs / Withings Activeだけでなく、スマートウォッチの傾向として、腕時計への回帰と言えるような、丸型へのあこがれが強いように思います。
今日紹介するのはPebble Time Roundです。

Pebble / Pebble Time Round

Pebbleからこの秋に発売された新型で、いままでのPebble製品には無かった円形ディスプレイを搭載しています。特長はディスプレイだけでなく、より時計に近づける工夫として従来のスマートウォッチの苦手分野だった薄型化を取り入れています。

厚さ7.5mm、重さ28gの軽量設計

一見普通の時計と変わりませんが、ベゼル(液晶周りのフチ)が厚かったり、薄型にするために今までの特長でもあったバッテリー寿命の短縮や、防水仕様でもなくなっています。
このような点から、やや早すぎた市場投入であるとも思いますが、形状に関してはスマートウォッチ群の中でも一番従来の腕時計に近いと言えるのは間違いないはずです。

次回も円形ディスプレイのスマートウォッチを紹介します。


12.10.2015

Generation Next




先日の休日に丸の内仲通りを何気なく歩いていると、今年 2015 年のGood Design 受賞作品の展示があった。


ここ GOOD DESIGN Marunouchi はデザインと社会をつなぐコミュニケーションスペースとして今年 10 月末にオープンしたらしい。


受賞作品を見ようと中に入ってみて、何年か前のデザインからどんどん対象となるものが変化してきていることを感じた。


あらゆるところで取り上げられ、次の産業革命のように言われ盛り上がってきている IoT 分野のプロダクト。

特に近年立ち上がったばかりの Startup の受賞が目立っていたと思う。



何と大賞に輝いたのは 2012 年設立の WHILL でした。 知らなかった・・



WHILL  Model A



他にも、Ring を開発する 2013 年設立の Logbar の受賞や、


Ring ZERO


2004 年 設立で、もう東証一部に上場している CYBERDYNE の HAL。


HAL


注目の IoT プロダクト、JINS MEME も受賞していました。これ和田さんのデザインなんだな。


JINS MEME



面白かったところでは 2007 年設立のユカイ工学さんの BOCCO 。


BOCCO



2014 年設立の Qrio スマートロックも。

Qiro は SONY の技術陣がしっかり関わっているだけあって、クオリティがとても高い!


Qrio Smart Lock



このスペース内に収めるには色々な選定要素があったことと思うが、ベンチャー企業のハードウェアプロダクトの受賞が多いのは嬉しかった。


未来のプロダクトにはデザインは切っても切れない、大切な要素だと思う。


こういった新しいタイプの企業がどんどん社会の目に触れて勢いづいてくれば、もっともっと日本のメーカーが盛り上がってくると思う。



世界をリードできるような企業が早く登場してくるといいなと思う。





A.Oono

Borderless Inc.

11.30.2015

IoTについて その13

こんにちは、DKです。

前回はざくっと大まかなスマートウォッチ類について紹介しました。
今回からは具体的にピックアップします。


まずはフランスの家電メーカー、Withingsが今年1月に発表した「Withings Activité」を紹介します。

Withngs / Withings Active


機能としてはメインはフィットネストラッカーが主で、加速度センサーを内蔵し、装着したユーザーの活動量や睡眠パターンの分析を行います。また他のスマートウォッチ同様、通知を振動で知らせる機能もあります。

スマートウォッチというと時計盤がディスプレイになっているイメージがありますが、これにはディスプレイはありません。通知機能もバイブのみの簡単なものです。やや機能を制限している印象を受けますが、例えばディスプレイを持たないため頻繁に充電する必要がなく、ボタン電池で8ヶ月動作するという大きなメリットがあります。

0~100までの文字盤は、毎日の活動目標の達成率を示す。


またBluetooth経由で計った活動記録や睡眠記録はスマホで確認する様になっており、デバイス1台に全部押し込まないという機能の分割が上手にされていると思いました。形状も普通の時計と変わらないので、スマートウォッチに親しみのないような世代に受け入れやすい製品でもあるでしょう。

11.28.2015

The Value of Concept

バイクの記事(しかもコアな)なので、興味のある閲覧者は限られてしまうかもしれないが。。







MT-10 が先日のイタリア、ミラノの自動車ショーである EICMA で発表された。


前職で関わったのが MT-09 Tracer までだったので、その後こんなプロジェクトが立ち上がっていたとは知らなかった。


WEB で MT-10 と検索しても、今のところ金属保護膜生成のスプレーがヒットしてしまうが、今後はもっと話題になっていくに違いない。。




実機を見たわけではないので、製品写真をいくつかの角度から見た印象だが、一言で言ってしまえば、残念だ。



MT というモデルは Master of Torque の頭文字をとったもので、自身が GKデザイナーだった頃は一つの象徴的なシリーズだった。


初代 Dynamics 社長も思い入れを持っていたモデルで、GK のベテランデザイナーがこぞってアイデアを出し、徹底的に作り込んだプロダクトだった。


2013 年に MT-09 が口火を切った後、MT-07、MT-09 Tracer、MT-25、MT-03 とどんどんラインナップを拡充してきている。



そして今回、"The King of MT" というコンセプトで来たのがこのモデルだった。









はっきり言って、これはコンセプトとは呼べないと思う。


MT にそもそも "King" はないし、必要ない。

"King" という単語そのものも、少々 時代錯誤だ。


デザインのみ眺めてみても、アピアランスから感じられる「デザインのメッセージ」はこれといってない。


R1 のエンジンは素晴らしいだろうし、それをストリートでも楽しめるリセッティングも技術の賜物だろう。


ただ、それ以外のユーザーへの新提案はないし、デザイン / スタイリングで表現されるべき「新しい乗り物の楽しみ」を見ることができなかった。


MT-09 や MT-07 で生み出されたライディングポジションの新提案や、乗り方そのものをユーザーが見つけられるような取り組みは MT-10 にはなさそうだ。

そこが残念だ。



ずいぶん派手に取り付けられた意味のないシュラウドやスタビライザーは、無駄に製品価格を上げる理由になるだろう。


突き詰められたシンプルさが MT シリーズに共通する特徴だったが、ヘッドランプ周りは他社を意識したようなキャラクタリスティックな動物的表情、ボディとのバランスがいいとは思えないサイズ感、重ったるい印象のタンク、いらないのでは・・と思うような外装類が、コンセプトをさらに曖昧にしている。


新しいデザイン言語を見つけるためのひとつの取り組みだと言われれば、納得する以外ない。

が、MT というシリーズに思い入れを持っている層(MT カスタマーはほぼ例外なくそうだ)に対して、もっと向き合ったデザインをして欲しいと思った。




ただ、あまり言い過ぎると・・呼び出しを食らうかもしれない。






MT-10 : Ray of Darkness





A.Oono

Borderless Inc.